2018年11月29日09:37
食街PJ とうちゃん
「子供食堂」を運営する「食街PJ とうちゃん」の店主江口さんをたずね、お話を伺いました。

江口さんは大学卒業後、ブライダル関連の営業職に就き、その実績から28歳の若さで会社の経営に携わるポジションに。
そこではマネジメントに関わる知識全般を学び業績を伸ばしました。そして他社からのヘッドハンティングをきっかけに外資系の金融業界へ転職。数年後には外資系企業で経験を積み独立。これまでの経験を活かしマネジメントや経営ソリューションに関わるコンサルタントの会社を起業しました。そして...
江口さん:「事業もおかげ様で順調だったんですね。そんな中、ふと立ち止まった時に考えたんです。金融やマネジメントを別の角度から見れば"裏方の仕事"という気がしていたんです。もともと営業上がりで性格的にも"自分が汗をかいて稼ぐ"という実態の見えやすいビジネスを展開したかったんです。そこでブライダル関連の会社で培った経験を活かして大箱のレストラン事業に進出したんです。」

オオサカジン編集部:「ブライダル事業は大阪で展開されたんですか?」
江口さん:「心斎橋を拠点に芦屋など関西圏に4店舗展開していました。しかし当時、日本を襲った地震の影響で一時はキャンセルも相次ぎまして、事業も低調になりましたね。」
オオサカジン編集部:「当時は資金繰りもたいへんだったんじゃないですか?」
江口さん:「そうですね。そんな状況でも軌道修正して、堅実にやっていけるレベルではありましたね。しかし、2014年ちょうど起業して10年の節目を迎えたときに"このまま外食業界でやっていくのか?"という自問自答がありました。もちろん年齢的なこともありますが。起業する際にも人材育成にも力を入れていたこともあり、"自分のやりたいこと"そして"自分ができること"を自分自身でも意識はしていたんですね。
江口さん:「当時から社会の課題解決に関心が高く、いろんなことを模索していた時期ですね。ただ、事業しながら区別してボランティア活動をやっていくということでは無く、ソーシャルビジネスとして何ができるのか?実際にそういった取り組みをされている方のレポートや本を読んだりして勉強していました。」
まずは、パイロット版的に事業の採算性を考えながら、はじめることにしました。いろんな施策を考えましたよ。その中には70歳以上の方半額なんかもやりましたね。」

オオサカジン編集部:「子ども食堂を運営するにあたってこの谷町エリアを選ばれたのは?」
江口さん:「もともとこのエリアで育ったこともありますし、地元に恩返ししたいという想いもあります。昔ながらの町並みも残りつつ、タワーマンションも立ち並ぶこのエリアは子供の数も増加傾向ではあると思います。」
オオサカジン編集部:「このエリアはタワーマンションも多くなりましたね」
江口さん:「いわゆる文教地区でもありますので他のエリアからこのエリアにお住いになるケースも多いですね。学区が良いので、富裕層の方は中学受験のためにセカンドでお住いになっていることもあるくらいですね。」
オオサカジン編集部:「変わりつつありますね。このエリアも。このエリアで育った江口さんはもっと顕著に感じるんでしょうね。」
江口さん:「他のエリアから来た子供は、仕方ないのですが馴染めない子もいるみたいですね。文化も異なれば育った環境も違いますから」
オオサカジン編集部:「大人でも新しい土地で順応するには大変ですからね。子供なら尚更かもしれません。子ども食堂では、地域と連携が必要になるとは思いますがボランティア募集状況はいかがですか?」

江口さん:「近所のお店屋さんが"この食材つかって"とか、快くご協力いただいたりもしますね。一般的な"子ども食堂"や社会活動は基本的には行政とか民生委員さんと組んで、ビジネスとは切り離してやっていくんです。それはそれでいいことで尊いことです。
皆さん善意で活動されているのに、その活動のスタートが「ボランティア」となるとハードルは高いと思います。
"安く仕入れて、安く提供する。利益を上げれば還元できる"
"困っている人がいれば助けてあげたい"
この概念は対局にあるような感じがするんです。
ボランティアはできる人にはできます。子供食堂をスタートさせたときは理念に共感していただいて、こころから善意でお声がけしていただく方もいらっしゃいます。

江口さん:「仕事は仕事で取組み利益を上げて社会に還元する。こういった仕組みはビジネスとボランティアを区別して取り組み、両方のバランスを保ちながら運営するんですが、この均衡を保ちながら消化していくのが実際には非常に難しいです。私の場合はビジネスとしても取り組めばもっと広がるんじゃないかと思っています。発想を二つにするんじゃなくて、もっと自然でシンプルに"困っている人がいれば助ける" そして、働く人も満足のいく給与を得る。そういうことをソーシャルビジネス展開すれば、もっと広がるんじゃないかと思っています。」

オオサカジン編集部:「活動は感情労働とは異なりますからね」
江口さん:「子ども食堂を無料で運営されているところもあります。私の運営している"食街PJ とうちゃん"ではお子さんからは200円頂戴します。"うちはお店ですよー"と、前面に出しています。それで儲けようとは思ってませんよ(笑)」

オオサカジン編集部:「仕入れのことを考えたら儲かりませんよね。江口さんがお店というコンセプトを貫くの理由は?」
江口さん:「子供に委縮せずに来てほしいんです。親切とか施し(ほどこし)はすごくありがたいんですけどね。時にその施しが子供を卑屈にさせてしまうことがあるんですよ。"恥ずかしい"とか。自分が子供の頃もそうだったんです。私は親のいない環境で育ったんですが"施しは嫌や..."って思ってました。」
オオサカジン編集部:「仲のいい子供たちのグループみんなが同じ環境で育っているわけでもないですもんね。」
江口さん:「だから、もし"自分だけ"お金が足りなくて払えないことがあれば、"皿洗いでもしてって"みたいなノリです(笑)みんな"平等に"っていうのは難しいですが、とにかく"いま困ってる子がいれば"助けたいだけです。子供もちゃんとお金払っているんだし、堂々と食べに来たらいいんです。これは施しではないんですから」

「食街PJ とうちゃん」は、宅配弁当とお惣菜販売さんです。そして、「子ども食堂」の活動もされています。
お店もむかしの学生時代の薄暗い「食堂」とは異なりカフェのような雰囲気なんですよ。これも江口さんがレストラン事業のご経験が活かれされているのかと。そして子ども食堂のチラシをみると、江口さんの想いが伝わります。
寒い季節のはじまりには...
「とりあえずおでん始まりました」

みなさんお気軽にお店たずねてくださいねー。
ご注文は下記の連絡先へ
また、ボランティアも募集しております。詳しくは下記へ
食街PJ とうちゃん

江口さんは大学卒業後、ブライダル関連の営業職に就き、その実績から28歳の若さで会社の経営に携わるポジションに。
そこではマネジメントに関わる知識全般を学び業績を伸ばしました。そして他社からのヘッドハンティングをきっかけに外資系の金融業界へ転職。数年後には外資系企業で経験を積み独立。これまでの経験を活かしマネジメントや経営ソリューションに関わるコンサルタントの会社を起業しました。そして...
江口さん:「事業もおかげ様で順調だったんですね。そんな中、ふと立ち止まった時に考えたんです。金融やマネジメントを別の角度から見れば"裏方の仕事"という気がしていたんです。もともと営業上がりで性格的にも"自分が汗をかいて稼ぐ"という実態の見えやすいビジネスを展開したかったんです。そこでブライダル関連の会社で培った経験を活かして大箱のレストラン事業に進出したんです。」

オオサカジン編集部:「ブライダル事業は大阪で展開されたんですか?」
江口さん:「心斎橋を拠点に芦屋など関西圏に4店舗展開していました。しかし当時、日本を襲った地震の影響で一時はキャンセルも相次ぎまして、事業も低調になりましたね。」
オオサカジン編集部:「当時は資金繰りもたいへんだったんじゃないですか?」
江口さん:「そうですね。そんな状況でも軌道修正して、堅実にやっていけるレベルではありましたね。しかし、2014年ちょうど起業して10年の節目を迎えたときに"このまま外食業界でやっていくのか?"という自問自答がありました。もちろん年齢的なこともありますが。起業する際にも人材育成にも力を入れていたこともあり、"自分のやりたいこと"そして"自分ができること"を自分自身でも意識はしていたんですね。
これから社会にどれだけ貢献できるのか?
江口さん:「当時から社会の課題解決に関心が高く、いろんなことを模索していた時期ですね。ただ、事業しながら区別してボランティア活動をやっていくということでは無く、ソーシャルビジネスとして何ができるのか?実際にそういった取り組みをされている方のレポートや本を読んだりして勉強していました。」
まずは、パイロット版的に事業の採算性を考えながら、はじめることにしました。いろんな施策を考えましたよ。その中には70歳以上の方半額なんかもやりましたね。」

オオサカジン編集部:「子ども食堂を運営するにあたってこの谷町エリアを選ばれたのは?」
江口さん:「もともとこのエリアで育ったこともありますし、地元に恩返ししたいという想いもあります。昔ながらの町並みも残りつつ、タワーマンションも立ち並ぶこのエリアは子供の数も増加傾向ではあると思います。」
オオサカジン編集部:「このエリアはタワーマンションも多くなりましたね」
江口さん:「いわゆる文教地区でもありますので他のエリアからこのエリアにお住いになるケースも多いですね。学区が良いので、富裕層の方は中学受験のためにセカンドでお住いになっていることもあるくらいですね。」
オオサカジン編集部:「変わりつつありますね。このエリアも。このエリアで育った江口さんはもっと顕著に感じるんでしょうね。」
江口さん:「他のエリアから来た子供は、仕方ないのですが馴染めない子もいるみたいですね。文化も異なれば育った環境も違いますから」
オオサカジン編集部:「大人でも新しい土地で順応するには大変ですからね。子供なら尚更かもしれません。子ども食堂では、地域と連携が必要になるとは思いますがボランティア募集状況はいかがですか?」

善意とボランティア
江口さん:「近所のお店屋さんが"この食材つかって"とか、快くご協力いただいたりもしますね。一般的な"子ども食堂"や社会活動は基本的には行政とか民生委員さんと組んで、ビジネスとは切り離してやっていくんです。それはそれでいいことで尊いことです。
皆さん善意で活動されているのに、その活動のスタートが「ボランティア」となるとハードルは高いと思います。
"安く仕入れて、安く提供する。利益を上げれば還元できる"
"困っている人がいれば助けてあげたい"
この概念は対局にあるような感じがするんです。
ボランティアはできる人にはできます。子供食堂をスタートさせたときは理念に共感していただいて、こころから善意でお声がけしていただく方もいらっしゃいます。

ビジネスとボランティア
江口さん:「仕事は仕事で取組み利益を上げて社会に還元する。こういった仕組みはビジネスとボランティアを区別して取り組み、両方のバランスを保ちながら運営するんですが、この均衡を保ちながら消化していくのが実際には非常に難しいです。私の場合はビジネスとしても取り組めばもっと広がるんじゃないかと思っています。発想を二つにするんじゃなくて、もっと自然でシンプルに"困っている人がいれば助ける" そして、働く人も満足のいく給与を得る。そういうことをソーシャルビジネス展開すれば、もっと広がるんじゃないかと思っています。」

オオサカジン編集部:「活動は感情労働とは異なりますからね」
江口さん:「子ども食堂を無料で運営されているところもあります。私の運営している"食街PJ とうちゃん"ではお子さんからは200円頂戴します。"うちはお店ですよー"と、前面に出しています。それで儲けようとは思ってませんよ(笑)」

オオサカジン編集部:「仕入れのことを考えたら儲かりませんよね。江口さんがお店というコンセプトを貫くの理由は?」
江口さん:「子供に委縮せずに来てほしいんです。親切とか施し(ほどこし)はすごくありがたいんですけどね。時にその施しが子供を卑屈にさせてしまうことがあるんですよ。"恥ずかしい"とか。自分が子供の頃もそうだったんです。私は親のいない環境で育ったんですが"施しは嫌や..."って思ってました。」
オオサカジン編集部:「仲のいい子供たちのグループみんなが同じ環境で育っているわけでもないですもんね。」
江口さん:「だから、もし"自分だけ"お金が足りなくて払えないことがあれば、"皿洗いでもしてって"みたいなノリです(笑)みんな"平等に"っていうのは難しいですが、とにかく"いま困ってる子がいれば"助けたいだけです。子供もちゃんとお金払っているんだし、堂々と食べに来たらいいんです。これは施しではないんですから」

「食街PJ とうちゃん」は、宅配弁当とお惣菜販売さんです。そして、「子ども食堂」の活動もされています。
お店もむかしの学生時代の薄暗い「食堂」とは異なりカフェのような雰囲気なんですよ。これも江口さんがレストラン事業のご経験が活かれされているのかと。そして子ども食堂のチラシをみると、江口さんの想いが伝わります。
寒い季節のはじまりには...
「とりあえずおでん始まりました」

みなさんお気軽にお店たずねてくださいねー。
ご注文は下記の連絡先へ
また、ボランティアも募集しております。詳しくは下記へ